ノエル

前略。日が空きましたが、とりあえず、ざっと箇条書きで書きます(後日、付け足します)。

1.

とある飲み会?で、名前がカッコイイ方に出会った。思わず、その第一印象を伝えてしまうと、これは本名ではなく「仕事名」なのだと教えてくださった。何という世界。でも、その方は名前を変えることによって環境が大きく変わったと熱く語られた。それは名前を変えたことで、その方のモチベーションが変わったからではないか、と内心では思ったけど、後日、ネットで「姓名判断」で適当に検索して、自分の名前を入力してみると、これが結構当たってる(笑)。それから、その方を真似て、僕の名字は固定して、最も縁起が良さそうな名前を調べてみると、「ノエル」だった。

Σ(・ω・ノ)ノ

でも、面白いかも知れない。「ノエル」に変えてみようかな(笑)。きっと、彼女も大笑い…と思いきや、彼女から意外とマトモな反応が返ってきて、驚いた。まあ、僕はこのブログ(日記)やbabyismでは、ペット・ショップ・ボーイズPet Shop Boys*1ジャミロクワイJamiroquai*2、ブラー(Blur*3等の曲をよく引用しているわけだけど、根本的には僕はオアシス(Oasis)の大ファンだったりする(バンドメンバーにノエル(Noel Gallagher)がいる、という意)。うーん。

2.

12月14日深夜のNHKこの番組(YouTube)を僕が見逃すわけはないのだけど(当然です、キリッ)、その後(前?)の「ブラタモリ」という番組も良かった。表参道の交差点の近くの、細い建物のところの区画が以前から変だと思っていたのだけど、その謎が解けました。東京オリンピック時に、青山通りを拡張したために、通りに面した部分の建物が削り取られて細くなったとのこと。詳しくは番組(YouTube)参照。*4

うーん。

12月10日に発売されたMr.Childrenのアルバム「SUPERMARKET FANTASY」に、「東京」という曲があって、その歌詞をふと思い出す。この曲の歌詞と、8月13日「柏 マイ・ラブ」に書いたMr.Childrenの「ランニングハイ」の歌詞は呼応する。都市の微細な痕跡に執着する人々と、それを諦めてしまった人々が交錯する、そんな「ゼロ年代」も残り一年と数日。

東京を象徴しているロボットみたいなビルの街
(中略)東京は後戻りしない
(中略)思い出がいっぱい詰まった景色だって また
破壊されるから 出来るだけ執着しないようにしてる
Mr.Children、東京

3.

仕事で武蔵野線に乗る機会があったので、帰りに「イオンレイクタウン」へ寄ってみた。日は暮れていたので、街の様子は分からなかった(超真っ暗だったw)けど、煌煌とした店内は、平日なのに凄く賑わっていた。何よりも、客層が若い。それは駅前(越谷レイクタウン駅)に立地していたり(免許のない学生でも電車ですぐ来られる)、平日だったからかも知れないけど(家族連れは休日に来る)、まあ、皆、楽しそうなので、和みますw。というより、そういう和み合うような場所が、ここ(ショッピングモール)なのかも知れませんね。

あと、ここは新しい「トーキョー」なのだと思った。何一つ新しくなく、既に東京にあるものをそのままきれいにパッケージして、空間だけ移動させてできたような場所だったから。とりあえず、他所で見たことがあるような店舗ばかりが延々と並んでいたり、アイスクリーム屋で店員が歌っていたり、ショッピングモール内全体が、建築による内部空間よりもずっと大きな何かに包まれているような感じがした。本当はその建築空間(形式)を見に行ったのに。まあ、それについてはまた今度書く(いや、もう書かないかもw)。

とりあえず、ショッピングモールのモール部分の「吹抜け」は、別に空間演出のためにあるのではなく、端的に言うと、客が迷子にならないために(建物内での方向感覚を与えるために)あるのだけど、「イオンレイクタウン」はまさにその目的のためだけの「吹抜け」になっていたところは面白かった。それはbabyismのGuide to ShoppingKinkyo-2で言及した「ダイヤモンドシティ」(イオンモールむさし村山ミュー)*5とは似て非なる空間です。空間が記号化しているのかな。

4.

今、読んでいる本は日端康雄著「都市計画の世界史」。新聞で少し話題になっていたので、試しに買ってみた。その本に書かれている内容は教科書的であまりにも普通なのだけど、それでも、エベネザー・ハワードはシカゴ郊外の「リバーサイド」に実際に暮らしていたとか*6、「ワシントン首都圏計画」(首都ワシントンを中心に放射状に都市圏を拡大する計画)があるとか*7、「コミュニティ」という用語の定義には94通りもあるとか、いろいろ発見はあった。あと、知らない固有名詞もちょくちょくあって、これで冬休み(帰省中)は、ネット(グーグル検索)で遊べます(笑)。

とりあえず、重要なのはここですね(下記)。

田園都市の自立性を支えるのは雇用の場としての工場の立地である。ハワードは企業家たちが熱意を持って田園都市に産業拠点を移してくるだろうと考えたが、そうはならなかった。
(「都市計画の世界史」、日端康雄)

babyismのWorld of Tomorrowの記事で、工場の立地について少し書いたけど(工場の立地は「市場への近接性」と「原材料等の入手の便」によって決まる)、そういうことなのです*8。これが「経済の原則」です。「田園都市」建設が事実上、失敗した(2つしか建設されなかった)理由はとても明快です。

簡単に整理すると、都市というのは、「経済の原則」だけで生成させれば、(一部の都市だけが)雪だるま式に巨大化する。そして、それと同時に「経済の原則」だけで成長した都市は、19世紀後半のロンドンニューヨークがそうであったように、多数の人々を必ずしも幸せにしない、ということです(「悪循環」が始まって*9、「社会主義社会改良主義)」運動が勃発する)。

現在、私たちが「経済の原則」と「社会主義」の中間的な(複雑系的な)政策をとらざるを得ないということと都市(都市形態)の問題は同義であると言っても過言ではないかも知れません。少なくともハワードは(ル・コルビュジエも)、そのように都市を捉えていたわけです。

ところで、僕は日本の左翼(サヨク)と呼ばれる人々に対して否定的なのだけど*10、何となく、いわゆる「建築界(建築業界)」には左翼が少なさそうなので天邪鬼になって*11、ではなくてw、戦略的に僕は左翼になろうかなぁと少し考えたけれど、とても馬鹿馬鹿しいので止めた(笑)。まあ、都市理論と左翼は相性が良い*12、ということはある。日本の新左翼のバイブルだったらしい羽仁五郎という人の「都市の論理」(1968年)を読めば、左翼に成り済ませるだろうか。また、この本から骨を全部抜いて蒸して高級魚料理にしたのが「サヨク」だろうか。火炎瓶より白ワインがよく似合いそうだけど、この話は次の「5」へ続くー。

(ここまで昨日(12月27日)書いた)

5.

今月は、babyismのIntegral Project-3の2で書いた「ポストモダニズム」を少し復習した。とりあえず、ロバート・ヴェンチューリYouTube)の「建築の多様性と対立性」クリストファー・アレグザンダー「まちづくりの新しい理論」を久々に読んだ。ハワードとル・コルビュジエを同時に批判したジェイン・ジェイコブズYouTube)の「アメリカ大都市の死と生」は最初の5ページで挫折した(泣)。ケヴィン・リンチYouTube)の「都市のイメージ」はなぜか手元になかった(号泣)。

(。・ω・) いい加減な復習。

なぜ今「ポストモダニズム」なのかと言うと、理由は少し複合しているのだけど、とりあえず、僕が僕の都市理論(「効率性」の原理)と都市経済学(Richardson及びEvansの都市サイズ・モデル)を、「ブリコラージュ」*13している、または、「つじつま合わせ」*14をしているから*15。要するに、それは、あまり論理的ではない(少なくとも演繹法*16ではない)からです。

この辺の話を突き詰めて行くと、「全体性」とは何かという問題に達してしまうのだけど、これはもう少し整理してからまた書く…いや、難しそうなので書けないか。

とりあえず、引用だけしておきます。

私は建築における多様性対立性とを好む。

(中略)しかし、多様性と対立性を備えた建築は、断片的な関心の範囲にとどまってしまわずに、常に全体に対する見通しを持つという特別な責務がある。それが真実性を持つのは、それ自身全体性を有している、もしくは全体性を内に含んでいるからに他ならない。それは、排除することで得られる安易な統一よりは、受け入れることで得られる複雑な統一を実現しようとするものである。より多いことはより少ないことではないのだ。

(「建築の多様性と対立性」、ロバート・ヴェンチューリ、1966年)

最後の一文は「もちろんミースの less is more を意識したもの」(翻訳者・注)です。ミースの有名な言葉、「Less is more, more is less」をヴェンチューリは否定した*17。時代はモダニズムからポストモダニズムへ。それから、もう一つ引用します。

(前略)ここでは、今日知られているものとは全く違うまちづくりの方法論を提案することになるでしょう。なぜなら、都市の中に全体性をつくり出す仕事は、それをプロセスとして扱うことによってのみ可能である、と私たちは確信しているからです。まちづくりはデザインだけによって解決されるのではなく、都市がかたちを形成していくプロセスが根本的に変わった時、初めて可能になるのです。
全体性にとって最も大切なのは何にもましてプロセスであり、単なる形ではありません。もしも適切なプロセスがつくり出されたなら、都市に再び全体性を取り戻すことができるでしょう。

(「まちづくりの新しい理論」、クリストファー・アレグザンダー、1987年)

うーん。

僕の都市理論のモデルは共時モデル(式に時間がない)なので、その辺を改良すればいいのかな。babyismのIntegral Project-3の5で、これを熱力学の「状態方程式のようなもの」と例えたのは割と適切で、だから、これを微分して時間を導入する(非平衡熱力学のように局所的に成立させる)といった可能性があるとも言えるけど、でも、それほど僕は賢くない*18。更に、「全体性が消失した」*19とも言われる「ポストモダン」(「ポストモダニズム」以後)の現在に、獲得され得る(または回復され得る)「全体性」が本当にあるのだろうか、から問う必要もあるのかも知れない。*20

いずれにせよ、僕は、複数の論理(理論)が「パッチワーク」のように貼り合わせられるような*21抽象的な空間の感覚は確信していて、そのような非論理(論理の外部)性を高らかに掲げることは僕は決してしないだろうけど、来年(2009年)は、この都市理論を、より具体的な「形」(図、模型、ビジョン*22)にしていこうと思ってます。

ただ、そこで組み立てられる(都市の)「形」は、ベタベタに糊付けされたような強固なものではなく、ドラフティングテープだけで固定されたようなもの、いつでも誰でも簡単に分解可能なものにしておくというスタンスが、その抽象的な空間の「真正さ(authenticity)」を表象するための、一つの手段(または担保)となるのだと思います。

以上です。

あっ、

あれ?

「4」と「5」の話が全くつながってない。

Σ(・ω・ノ)ノ

とりあえず、(モダニズムが否定された)1960年代とポストモダニズムについて、もっと調べてみようと思います(笑)。ついでに、経済学者の小島寛之のブログに「魅力的な都市とは〜ジェイコブスの四原則」という記事があります。これは面白い(笑)。

では、良いお年をお迎えくださいますよう心よりお祈り申し上げます。

(追記)

都市経済学(とリチャード・フロリダ)については来年書く。それから、あの「下北沢再開発」問題についての僕の(僕の都市理論を使っての)見解と、12月1日「雑記4」に書いた「ハーフェンシティ」(図面は全て見た)と近代都市計画(ル・コルビュジエ)の相違点と、あと、前回の12月10日「エソラ」で「公共性」と「経済性」について少し書いたけど、「経済性」を組み込んだ「公共空間」のある新・都市モデル(クリスマス・リースみたいな形の)を作ったので、これらも来年書く予定(ぼちぼち、と)。できれば今日書こうと思ってたけど、長くなった。

最後まで読んでくださった方、お疲れ様です、ありがとうございます、来年も宜しくです。さて、僕は大掃除始めないと。

(。・ω・)ノシ

*1:7月31日「日食」参照(ペット・ショップ・ボーイズのリスト)。

*2:9月3日「抹消された「渋谷」」参照(ジャミロクワイ、「Canned Heat」)。

*3:9月25日「蘇生」参照(ブラー、「The Universal」)。

*4:ついでに、ギズモード・ジャパン「細すぎるビルたち写真集」(2008年12月15日)参照。

*5:9月27日「モーション・タイポグラフィ」参照(ダイヤモンドシティ)。

*6:Natural World-3(リバーサイド)、Material World-4の図式(リバーサイド→ハワード→田園都市)参照。

*7:babyismのBeyond Utopiaに貼ったアメリカの「ニューアーバニズム」に関するYouTubeに出てくる「ケントランド」(Kentlands、DPZ設計)はワシントン郊外に位置する。誤算-2(ワシントンの歴史)も参照。

*8:Natural World-2も参照(クルーグマン空間経済学)。

*9:11月9日「マンハッタンのゆくえ(後)」参照(原因と結果の悪循環)。

*10:Integral Project-3参照(日本のサヨクは・・・)。

*11:8月28日「雑記2」参照(天邪鬼)。

*12:Integral Project-2参照(理論とサヨク)。

*13:屋根つきの橋-2グローバリゼーション(town)参照(ブリコラージュ)。

*14:Airplane House参照(ヴェンチューリの「つじつま合わせ」)。

*15:11月9日「マンハッタンのゆくえ(後)」参照(この先の説明には「都市経済学」を使う)。

*16:For Tomorrow参照(「男の美学」)。

*17:10月2日「別世界性」Material World-2Material World-4参照(ミース・ファン・デル・ローエ)。

*18:Integral Project-1の補足参照(自己組織化)。

*19:10月19日「イオンレイクタウン-2」参照(「全体性の消失」、宮台真司)。

*20:12月10日「エソラ」の注釈11参照(「ゼロ年代の想像力」、宇野常寛)。

*21:Kinkyo-1参照(多様体)。

*22:Prairie House参照(ビジョン)。